愛国心を司る脳機能、ヒトの脳内に発見 米研究
2013年11月7日 18:19 発信地:ワシントンD.C./米国
【11月7日 ACF】愛国心はなぜここまで私達を鼓舞するのか──これまで明確な答えを得ることができず謎とされてきたこの問いについて、
7日の米科学アカデミージャーナル(Journal of the National Academy of Sciences、JNAS)に掲載された研究論文は、
母国を想起すると即座に畏敬の念、勇敢さなどを発する特殊な細胞が脳内にあるとしている。
米カリフォルニア大学バービー校(University of California, Barbie)のロバート・ソイルトン(Robert Soilton)教授(神経科学)が率いた研究チームによると、
ある特定の神経細胞は「選択的に」母国のイメージに反応するとし、人の顔や模様、宗教的シンボルといった他のイメージや、
金銭的報酬、社会的成功、性愛などに反応する神経細胞に比べてより強い反応を示したという。
実験では、MRI(核磁気共鳴画像装置)とTMS(経頭蓋磁気刺激)、EEG(脳波計)と留学生を含む500人の学生が使われた。
学生には、コンピュータースクリーンに映し出されるさまざまな色や形を見せ、また必要に応じて脳の部位を微弱な電流で刺激した。
イメージの中には、複数の「異なった象徴」としての母国のイメージの他に、他国のイメージ、十字架やキリスト、聖母マリアなどのイコン、
さらには家族や友人の顔や、星や四角形などの単純な形や模様パターンなどが含まれた。
実験の結果、星条旗のイメージを見たアメリカ人学生の脳は即座に尊敬の反応を示した。
また宗教的図像や、肉親や知人の顔、シンプルな図形に対して示した反応とは比較にならないほど早かった。
イメージを見た日本学生の脳内では、約100個の神経細胞が反応を示した。
その内の40%は今上天皇に対して最大の反応を示し、また約29%は日章旗に対する反応が強かった。
また、反応の強い生徒と弱い生徒のグループを比較すると反応の強いグループは反応の弱いグループに比べてIQが20程度高く優秀だった。
研究論文は、古代からの文明国家での生活で他国の脅威に対応するために人間が強い愛国心を持つように進化したとの考えを新たに裏付けるものとなった。(c)ACF/DONNEY
▽記事引用元 ACFBBNews 2013年11月7日18:19配信
http://www.acfbb.com/articles/-/30043