サラリーマン作家に立ち塞がる壁 2作目出し次に繋げる苦労
これまでに数多くのサラリーマンが文学賞を取り、作家デビューしたが、その後もコンスタントに書き続けるのは難しいものだ。
本業があって忙しいうえに、そもそもオファーがそう簡単に来るものではない。まさに「立ち塞がる壁」ともいえるものだが、その
壁を超えることも可能である。
昨年、文学賞への初投稿となる作品『ホテルブラジル』で第3回野生時代フロンティア文学賞(主催・フジテレビジョン・角川書店
/応募総数881作)を受賞した古川春秋氏(36)は1年後の今年9月、2作目の小説『家族ドミノ』の発売にこぎつけた。
一体どのように時間管理をしたのか、そして、小説の腕前は上がるものなのか。
古川氏のコメントも含め、2作を比較し、サラリーマン作家が2作目を出す秘訣をさぐる。
この1年、サラリーマンを続けながら古川氏は毎朝5時〜6時に起きて、出勤前に1〜2時間、帰宅してから食事や風呂などを
済ませてから1〜2時間程度執筆していたという。毎日2〜4時間を割いていたわけだが、これは同氏によると「睡眠とプライベートの
時間を削って書く、という感じです」だという。
小説を書く腕前は果たして上がるのか。そして、2作目は1作目を超えられるのか? という質問に対しては「1作目が初めて
書き上げた小説だったので、それに比べれば幾分かは巧くなっていると思います。慣れというか、学習というか。産みの苦しみは
相変わらずですが……。とりあえず書き上げるスピードと作品の枚数では超えられました」と回答しており、確かにテクニックなどは
上達するようだ。
ここで古川氏が強調したのが「スピード」だが、出版社から二作目は1年以内に出したいと言われていた。選考委員がそこまで
期待した作家なだけに、第一作の読者の気持ちがアツい内に出す必要があったのだろう。結果的に1ヶ月遅れで出版にこぎつけられた
ことに関しては出版社からは合格点を与えられたという。
そして、「2作目は書けるのか?」という質問に対してはこう答えた。
(中略)
作家は発想や筆力も重要だが、これに加え、サラリーマンとしての管理能力や責任感も重要だということだろう。
http://www.news-postseven.com/archives/20131027_224375.html