【ワシントン=安江邦彦】米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は16日、米政府機能が
一部停止した10月1日から16日間の経済損失が240億ドル(約2兆3600億円)に及ぶとの推計を発
表した。
影響が深刻だったのは観光産業だ。国立公園や博物館など連邦政府が管理する施設が軒並み閉鎖
されたことで、業界団体によると、全米の観光客は1日あたり最大で75万人減った。
政府の機能停止は、防衛産業などで政府関連の事業の遅れも招いた。民間派遣の要員が政府施設
で整備や点検作業ができなくなったほか、政府への納品が滞ったことが原因だ。米防衛大手ロッキード・マ
ーチンは1日約2400人の従業員を一時帰休させた。
政府職員の自宅待機で、首都ワシントンなど政府関連の人口が多い地域では消費の減少も目立った。
今後も、短期間の暫定予算が期限を迎えるたび、政府機能の停止が取りざたされるようなら、国民の間に
「消費を手控える空気が広がりかねない」(S&P)との指摘もあり、米景気への悪影響が懸念されている。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20131017-OYT1T00849.htm