飲酒運転を防ぐため、JR各社が行っている乗務前のアルコール検査について、
JR北海道では「体質的に酒が飲めない」と申告すれば、検査を免除していたことがわかった。
JR他社は同様の例外を認めておらず、
専門家は「『酒が飲めない』という自己申告が、検査を免除する理由にはならない」と批判している。
免除されていたのは乗務員11人。
運転士らのアルコール検査は法律上の義務ではないが、
国土交通省令は飲酒などで正常な運転ができない場合、乗務を禁じている。
JR北海道では昨年7月、社内の通達で、運転士と車掌に対する乗務前のアルコール検査を義務化した。
点呼時、専用の検知器に息を吹き込み、
呼気1リットル中0・1ミリ・グラム以上のアルコールが検出された場合、乗務を認めていない。
ところがこの通達には、乗務員が「体質的に酒が飲めない」と上司に申告し、
上司が認めた場合は検査を免除するとの内容も書かれていた。
上司には医師の診断書など客観的資料の確認を求めておらず、自己申告のみに基づいて免除できる。
同社によると、9月末現在で運転士8人、車掌3人の計11人にアルコール検査を行っていない。
他のJR6社では、JR北海道に先んじて2004〜07年に検査を義務化したが、
同社のような例外を認めていない。
義務化の遅れや例外規定について、同社の複数の社員は「労働組合に過度に配慮した結果では」と指摘する。
一方、同社広報部は「労組は関係ない。体質的に飲めなければ自己管理は徹底できると考えている」としている。
鉄道評論家の川島令三さん(63)は「酒が飲めないなら検査を受ければ良く、免除は不可解。
全員を検査しなければ意味がなく、改善すべきだ」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20131008-OYT8T00021.htm