タミル人州政府が誕生 スリランカ、州議会選で野党圧勝
2013.9.23 00:29
【ジャフナ(スリランカ北部)=岩田智雄】スリランカの選挙管理委員会は22日、かつて政府軍と少数民族
タミル人反政府武装勢力、タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)の内戦の地となった北部州の初の州議会選
(定数38)の開票結果を発表し、タミル人野党、タミル国民連合(TNA)が30議席を得て圧勝した。タミル人
主導の州政府が誕生するのは初めて。ラジャパクサ政権と自治権拡大を目指す州政府が激しく対立する恐
れもある。
州首相に就任予定のTNAのウィグネスワラン元最高裁判事は記者会見し、タミル人と、国内では多数派の
シンハラ人との和解について「われわれは同じ国の市民だ」と述べ、北部州の独立を目指さないことを強調し
た上で、連邦制の導入を訴えた。
TNAは憲法条項通り、州政府に一部権限を委譲するよう求めているが、政府は分離・独立要求が強まるこ
とを警戒し、憲法条項削除の動きを見せている。
ラジャパクサ大統領は内戦時代からの人権侵害を欧米諸国に非難され、削除の動きを鈍らせてきたが、
11月にスリランカで予定される英連邦首脳会議を乗り切れば、再び憲法修正に本腰を入れる可能性がある。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130923/asi13092300300000-n1.htm