PC遠隔操作:サーバー侵入 朝日、共同5記者を起訴猶予
パソコン遠隔操作事件で、真犯人を名乗る人物が「犯行声明」に使ったメールのサーバーに侵入したとして、
不正アクセス禁止法違反容疑で書類送検された朝日新聞社の記者3人と共同通信社の記者2人について、
東京地検は23日、いずれも起訴猶予とした。「取材目的だったことなど事案の性質や内容に加え、記者の反省状況などを総合的に判断した」
と説明している。
地検などによると、弁護士や報道機関に送信された犯行声明には、東京都内の幼稚園襲撃予告などの際に使われた別のメールアドレスの
パスワードが記載されていた。記者5人は昨年10?11月、犯行声明も同じパスワードだと推測して入力し、サーバーに接続したという。
不正アクセス禁止法は、承諾なく他人のIDやパスワードを使ってサーバーに接続する行為を禁じている。
地検は「送り主の承諾はなかった」として、犯罪は成立すると判断した。一方で、取材目的であり悪質性は低く、
捜査に悪影響もなかったとして起訴を見送った。
書類送検の際、朝日新聞社は「法律上も倫理上も問題ない」との見解を明らかにした。
これに対し、地検は「現段階で記者は反省している」と説明した。
遠隔操作事件を巡っては、元IT関連会社社員の片山祐輔被告(31)が威力業務妨害罪などで起訴され、
無罪を主張している。
朝日新聞東京本社の森北喜久馬社会部長の話 記者は「真犯人」と名乗る人物による犯行声明メールについて、
本物か否かを確かめるために発信元のメールアカウントに接続した。
この行為は正当な取材の一環だと考えている。今後も報道の使命と社会的責任を重視していく。
共同通信社の石亀昌郎社会部長の話 記者らが行ったことは、形の上で法に触れる可能性があるとしても、
事件の真相に迫るための取材活動であることは明らかだ。もちろん声明文を送り付けた人物とは何ら関わりはない。
そうしたことを捜査当局に説明し、理解を得られた結果だと考えている。
http://mainichi.jp/select/news/20130824k0000m040065000c.html