右足がアクセルとブレーキの間に挟まれ、左足でブレーキをかけようとしたが加速した トヨタUSA訴訟
トヨタはペダルの危険性を認識していた−急加速問題で原告
8月8日(ブルームバーグ):トヨタ自動車 の車両の意図しない加速が原因と原告側が主張する死亡事故をめぐる米国の民事訴訟で、
第1回口頭弁論がカリフォルニア州のロサンゼルス郡地裁で開かれた。
原告側の弁護士は、トヨタがアクセルペダルが戻らなくなる危険性について認識していたと述べ、衝突事故で死亡した女性が運転していた
2006年型カムリにブレーキ・オーバーライド・システム(ブレーキ優先システム)の装備を怠っていたと主張した。
死亡した女性ウノ・ノリコさんの夫と息子の弁護士、ガロ・マーディロシアン氏は「トヨタがブレーキ・オーバーライド・システムを装備していれば、
車は停止していただろう」と指摘。ウノさん(当時66)が運転していたカムリは一時停止標識を無視した車に衝突された後、加速してコントロールを失い、
木に衝突してウノさんは死亡したと説明した。遺族は2000万ドル(約19億円)の損害賠償を求めている。
今回の訴訟は、意図しない急加速が原因とされる死亡事故をめぐる民事訴訟の初の陪審裁判。ロサンゼルス郡地裁では急加速問題に絡む
約85の死傷事故関連訴訟が併合され、一括審理されることになっている。
トヨタ側の弁護士ビンス・ガルビン氏は8日の口頭弁論で、ウノさんの右足がアクセルとブレーキの間に引っかかって動きが取れなくなり、
左足でブレーキをかけようとしたが加速したと主張することは不可能だと反論。ウノさんの06年型カムリはリコール(無料の回収・修理)の
対象ではなく安全だったと述べ、ウノさんがブレーキではなくアクセルを踏んでいたために誤った方向に30秒間にわたって走行したと主張した。
原題:Toyota Knew of Danger of Stuck Pedals, Lawyer Tells Jurors(2)(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MR85IE6S972J01.html