パリ航空ショーで注目の的はロシアの戦闘機
【ルブルージェ(フランス)】今週開幕した航空見本市、パリ国際航空ショーで、注目の的になっているのは
欧州エアバスでも米ボーイングの航空機でもない。ロシアの新型戦闘機だ。
それは、ロシア国営航空機メーカー、ユナイテッド・エアクラフト(UAC)の「スホーイ(Su)35」で、
パリ航空ショーでロシア国外では初のデモ飛行を行った。同機は、西側の航空機に対抗して
新型の防衛システムとミサイルを搭載しており、UACのミハイル・ポゴシアン最高経営責任者(CEO)は
「我々は世界のリーダーの一角に名を連ねた」と胸を張った。
ロシアの防衛産業は、プーチン大統領の下での企業再編や軍事支出の増大の恩恵を受けて再生し、
ソ連崩壊から20年経って世界市場に打って出た。ストックホルムの国際平和研究所によると、
ロシアの武器輸出1990年代初めに比べほぼ4倍に達した。その伸びのほとんどは、ここ数年間で達成した。
パリ航空ショーに出展されたロシアの航空機の大半は既存機の改造で、Su35は1977年に初飛行した
SU27の多くの後継機の一つ。2重反転モーターを持つ戦闘ヘリコプターの「カモフ(Ka)―52」も、
1982年に初飛行した機種の最新モデル。ロシアの航空機は、西側のライバルに比べ最先端の
エレクトロニクスが不足しており、より多くの保守が必要だが、頑強で購入費が安い。
ポゴシアンCEOは、Su―35の輸出目標を100機に設定し、ボーイングの「F15」や、ロッキード・マーチンの
「F16」、欧州企業が共同開発した「ユーロファイター・タイフーン」などをライバル視している。
西側メーカーは、ロシアの攻勢を警戒している。ボーイングの防衛部門のクリス・レイモンド副社長
(ビジネス開発・戦略担当)は、「ロシア勢は戦闘機の開発に注力している」と指摘し、
ロシアにとっての最有力市場は既存機種の老朽化が進んでいるインドやマレーシアなどだが、
「世界中で売り込みをかけると思う」と述べる。
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