反原発デモ参加者、機動隊員に暴言を浴びせ、泣く 「自分を変えなければ世の中は変わらない」
原発再稼働への抗議活動が行われている毎週金曜日夜の首相官邸前。
「地域に根ざして、当事者意識を持って生きたい」。鹿嶋隆文さん(35)=神奈川県葉山町=は一年前、人々がぎっしりと
道路を埋め尽くした官邸前で、そう話した。
震災後、放射能への恐怖もあり一年間海外へ。地元に帰り、市民団体に加わったばかりだった。
翌週の二十九日も地元の仲間五十人ほどで官邸前に繰り出し、その後、再稼働直前の大飯原発(福井県おおい町)に車で
行った。機動隊員に暴言を浴びせると、泣いていた。
「この人たちも仕事でやっているんだよなとの思いが込み上げた。敵がいるなら倒せば済むけど、自分を変えなければ
世の中は変わらないと思った」
昨年九月には仲間と地元で芸術祭を開き、十一月には「地に足が着いた生活をしたい」と植木職人を始めた。「地域の
中でどう動けば、子どもたちがハッピーに暮らせるかとか、自分を取り巻く世界をちゃんと見るようになった。官邸前に
行ってみて、分かったことや体で感じたことは大きい」
何万人という単位で人が訪れた一年前に比べると、今の官邸前は静かだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013062202000105.html