米マイクロソフトとFBI、国際サイバー犯罪組織摘発へ協力
2013年 06月 6日 14:57 JST
[ボストン 5日 ロイター]
米マイクロソフトと米連邦捜査局(FBI)が世界80カ国余りの捜査当局と協力し、国際的なサイバー犯罪組織の摘発に乗り出したことが分かった。
この組織は過去1年半の間に、複数の銀行口座から5億ドル(約495億円)以上を盗み出したとみられている。
マイクロソフトは5日、同社のデジタル犯罪関連チームが、「シタデル・ボットネッツ」として知られる推定1400個の悪質なコンピューターネットワークのうち、少なくとも1000個の機能を停止することに成功したと明らかにした。
シタデルによって操作されているパソコンは世界中で約500万台に上るとみられ、
マイクロソフトによると、盗難被害に遭った企業にはアメリカン・エクスプレス、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、クレディ・スイス、イーベイ傘下のペイパル、HSBC、JPモルガン・チェースなどが含まれているという。
この事件で容疑者は逮捕されておらず、犯罪の首謀者も特定されていないが、各国が合同で摘発に乗り出したことは、組織にとって大きな打撃となるとみられる。
ボットネットとは、ウイルス感染によってハッカーに操作されるパソコン群のことで、金融犯罪やコンピューターウイルスの拡散などに使われることが多い。
シタデルは現在使用されているものとして、最大のボットネットの1つ。
マイクロソフトは、犯罪組織が同社の基本ソフト「ウィンドウズ」の海賊版にウイルスを埋め込み、米国のほか西ヨーロッパ、香港、インド、オーストラリアのパソコンを犯罪に利用していると話している。
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPTYE95504720130606