“東寺の1000年”「百合文書」記憶遺産推薦
日本ユネスコ国内委員会の記憶遺産選考委員会が世界記憶遺産に推薦することを決めた、国宝の
「東寺百合文書」
「アンネの日記」(オランダ)や「人権宣言」(フランス)などが登録されている国連教育・科学・文化機
関(ユネスコ)の世界記憶遺産に、日本ユネスコ国内委員会の記憶遺産選考委員会は21日、国宝の
「東寺(とうじ)百合文書(ひゃくごうもんじょ)」(京都府所有)を推薦することを決めた。来年3月末までに
ユネスコに申請し、2015年の登録を目指す。
東寺百合文書は、京都市の世界遺産・東寺に伝来した、奈良時代から江戸時代まで1000年以上に
わたる約2万5000通の文書。仏教史や寺院史だけでなく、東寺が領有していた全国の荘園に関わる
ものも多く、中世の文化・生活を知る上で貴重な史料群。
「合」は、蓋のついた容器を数える語。1685年に加賀藩第5代藩主・前田綱紀(つなのり)によって百
合の箱が寄進され、保存・管理されてきたことも選考理由とした。
記憶遺産は1992年に創設され、現在245件が登録されている。日本では2011年、福岡県田川市
などが所有する「山本作兵衛炭坑記録画・記録文書」が初めて登録された。選考する国際諮問委員会
は2年に1度開かれ、6月18日から韓国・光州で始まる今回の委員会では、すでに日本政府が推薦し
ている「慶長遣欧使節関係資料」と「御堂関白記(みどうかんぱくき)」が審査される予定。
(2013年5月22日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20130522-OYO1T00256.htm?from=main3