津波に流され瓦礫の中から見つかった観音像が何者かに盗まれる
津波に耐えた観音像 盗難
東日本大震災の津波で被害を受けた山元町の寺で、津波に流されながらもがれきの中から見つかった観音像がなくなり、
警察が窃盗事件として捜査を始めました。
観音像がなくなったのは山元町にある普門寺です。
普門寺は、東日本大震災の津波で本堂がつかり、墓地の墓石や遺骨が流されるなどの被害を受けました。
墓地にあった観音像は、津波に流されたものの1か月ほどたってがれきの中から見つかりました。
寺では、津波に流されて散り散りになった遺骨を供養するため周囲の砂や遺骨を集めて塚をつくり、塚の上に観音像を置いていました。
ところが、22日昼ごろ住職が観音像がなくなっていることに気がついたということです。
観音像は、高さが70センチほどで重さはおよそ30キロあり、現場には引きずったような跡が残っていました。
住職によりますと4日前に法要を行った際には観音像はあったということで、寺からの被害届けを受けて警察が窃盗事件として捜査を始めました。
観音像と塚には、檀家だけでなく近くに住む人やボランティアなどが毎日手を合わせに来て震災の犠牲者を供養する場になっていたということです。
坂野文俊住職は、「復興の過程で私たちが築き上げたものを踏みにじる行為で、怒りを通り越して呆れています。
犯人には自分のしたことの意味をよく考え、黙ってでもいいので像を返してほしい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/sendai/6004787711.html