EU、シリア反体制派限定で原油禁輸解除
【ベルリン=宮下日出男】
欧州連合(EU)27カ国は22日、ルクセンブルクで外相理事会を開き、内戦が続くシリアの反体制派支援強化のため、
同国からの原油輸入禁止の制裁措置を一部緩和し、反体制派からの原油購入を認めることを決定した。
反体制派の支配地域の石油産業に対する投資や関連技術・設備の輸出も可能とする。
EUは制裁緩和で、反体制派の支配地域での住民生活の再建や経済活動の回復を後押しする。
原油輸入解除には、アサド政権に対抗する反体制派に対し、必要な武器購入のための資金獲得を側面支援する狙いも込められている。
加盟国当局が各取引を監視する。
EUは内戦前、シリアの原油輸出全体量の9割超を占める輸出先だったが、一昨年秋以降、アサド政権の資金源を断つため原油輸入などを禁じていた。
ただ、企業は内戦状態のシリアへの投資は消極的とされ、原油輸出に必要なインフラの整備も課題。即座の効果が見込めるかは不透明だ。
反体制派が求める武器禁輸解除では、加盟国内の意見は依然割れている。
武器提供を認める英仏に対し、ドイツや北欧諸国が内戦激化のほか、武器がイスラム過激派に渡ることを懸念し反対しているためだ。
反体制派はトルコ・イスタンブールで20日に開かれた「シリアの友人」会合で武器が「悪人の手」に渡らないことを確約。
ヘイグ英外相はこれを受け、武器禁輸解除について今後、再び議論する考えを示した。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130422/erp13042219300004-n2.htm