>>502 背景知らないとそんなに感動できないでしょ
一世を風靡した棋士が今は落ちぶれ、今大会でも負け枠として出された
それを本人も自覚していて、でもだからこそこの戦いでは頑張らなければならなかった
そうした中で対局
研究し尽くしたものの序盤から狂い始め「やっぱり負けか……」という会場の空気が、会場にいなくても伝わってくる
しかしどうしても負けられない塚田は早々に入玉を決め込む
一応入玉研究していたとはいえ、こんなことをすれば周りから批判を受けるのは必至
それでも負けるよりかはいい
ここで負けたら棋士としての人生は完全に尽きる
そう思いつつ入玉していくものの中々うまく行かない
大駒は全て取られ、最早勝ち目は0
会場は完全に諦め、解説者も投げ出し漫談を始め出す始末
それでも塚田ただ一人は諦めなかった
やっとのことで飛車を取り返して暴れ始める
しかしすでに敵も入玉し始め、解説者は焼け石に水だと笑いものにする
が、それでも突き進んだ
そして遂に誰も予想できなかった展開に入る
二枚目の大駒を取り返したのだ
これで引き分けの可能性がグッと上がった
会場が沸いた
塚田を笑いものにしていた人たちはもう塚田を応援し始めている
そして最後、意地の歩取りで引き分けが確定した
塚田の意地が必敗から引き分けまで押し返したのだ
この一局はまさに塚田の意地、プライド、人生すべてを賭けたものであった
最後の塚田の涙がそれを物語っている