「いい仕事がある」。昨年6月、東京都内の居酒屋で働いていた私立大学生(当時19歳)に客の男(30)が声をかけた。
男はオレオレ詐欺グループのメンバー。リーダーの指定暴力団山口組系幹部(30)の指示で「受け子」を探していた。
大学生は中学や高校の同級生たちに「黒い集金のバイト」と声をかけ、明治大や法政大などに通う大学生7人を集めた。
その後、学生らは組幹部らの指示で被害者宅を訪問。息子の同僚などを装い、現金を受け取ってはメンバーに渡した。
集めた現金は1500万円に上ることもあり、1回数万円〜十数万円が報酬として渡された。
しかし、昨年8〜10月に5人が逮捕され、残り3人も事情聴取された。「夏休みに稼ぎ、学費にしようと思った」
「報酬でネックレスを買った」。学生たちはそう供述したという。
警察庁によると、振り込め詐欺で検挙された少年は10年の61人(推計値)から11年に133人
昨年は167人(暫定値)に増加。検挙者数に占める割合も10年の9%から11年17%、12年16%に増えている。
低年齢化も進み、今年2月には東京都調布市の中学3年生も逮捕された。
捜査関係者は「軽い気持ちで『受け子』になっているが、暴力団員の指示で動くことが多い。
高齢者から老後の資金を奪っていることの意味を考えてほしい」と話す。
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