"犬の食べ残し"と呼ばれる玉砂利に貝殻の混じった地層、それが15世紀
ニュージーランドのマオリの人々を襲った巨大津波の証拠である。
食料資源と沿岸住居を破壊した致命的な波、それは社会構造の変化の
波となって一帯を席巻した。丘陵地には要塞化された建物が作られ、
文化はより戦闘的なものに移行した。
「これはパッチ・プロテクションと呼ばれる、手元に残された少ない資源を
守ろうとする欲求です。結果としてより好戦的な社会になります」
とオーストラリア、ニューサウスウェールズ大のジェイムズ・ゴフ氏。
マオリはワンツーパンチの犠牲者だ。
15世紀の中頃、トンガ-ケルマデック断層の地震が最初の津波を起こした。
それからほどなく、ヴァヌアツ近くのクワエ火山の噴火が巨大な波を生んだ。
この1453年の噴火はクラカトウ火山の10倍の規模で、小氷期と呼ばれる
地球規模の寒冷化のきっかけとなった。
マオリの歴史におけるアルカイック期とクラシック期を分断したのが津波で
あると、ゴフ氏は言います。「天変地異が変化を推し進めたのです」
(英Wikipeによると、より古いアルカイック期は武器・要塞が無く、クラシック期は武器・要塞が多い)
http://science.nbcnews.com/_news/2013/03/29/17520444-killer-waves-scientists-study-how-tsunamis-changed-history?lite