TPP参加で自民は参院選で優位か
環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加に関する協議で、自民党内の反対派が安倍晋三首相の参加方針を受け入れた。
これにより、今後の政局のヤマ場として注目される7月の参院選は、与党に有利との見方が広がりそうだ。
Bloomberg
企業の賃金アップで消費拡大への期待感も高まっている
自民党は13日夜に開いたTPP対策委員会で、安倍首相の交渉参加方針を受け入れた。コメが日米の事前協議で議題にならないことが
判明したことで、TPP反対派は、交渉参加自体は「政府の専権事項」であるためやむを得ないと判断したようだ。
共同通信が2月に実施した世論調査で、TPP交渉参加に「反対」「どちらかといえば反対」と答えた人は計24%にとどまった。特に、
農林漁業者のうち、反対派は1月調査の67%から50%に減少。賛成派は25%から49%に増え、反対派とほぼ並んだ。
農業就業人口の減少で組織力の低下を否めない「農業票」だが、昨年12月の衆院選で「多くの自民党議員は、農協にTPP反対の
約束をして当選した」(キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹)といわれ、小選挙区での影響力の大きさが指摘される。
参院選の31の改選1人区でこうした効果が表れる可能性もある。
しかし、「『農業票』を取り込めそうだからといって、自民党が参院選で有利になるほど甘くはない。7月まで何が起こるかわからない」と、
複数の党関係者が異口同音に話す。ただ、民主党の党勢立て直しが遅れていることや「アベノミクス」を手掛かりとする円安・株高に加え、
相次ぐ企業の賃金引き上げ方針から、消費の拡大で景気回復が加速するとの期待感も安倍政権の支持率をさらに押し上げそうだ。
りそな銀行・チーフストラテジストの高梨彰氏は、参院選前は経済政策を最優先することが重要で「憲法改正など欲張りすぎない方がいい」
と指摘している。
http://realtime.wsj.com/japan/2013/03/14/tpp%E5%8F%82%E5%8A%A0%E3%81%A7%E8%87%AA%E6%B0%91%E3%81%AF%E5%8F%82%E9%99%A2%E9%81%B8%E3%81%A7%E5%84%AA%E4%BD%8D%E3%81%8B/