2011年3月11日に発生した東日本大震災から間もなく2年。揺れこそ小さかったが昨日の早朝に発生した首都圏の地震では緊張が走った。
震源地が東京23区の真下、杉並区で起きたからだ。脳裏によぎるのは、「4年以内に50%以下の確率で発生する」と予測されているマグニチュード(M)7級の大地震。不気味な揺れはその前兆なのか。
8日午前7時19分に発生し、千代田区や新宿区、江東区、練馬区など都内各所で震度2の揺れを観測した地震。気象庁によれば、震源地は「北緯35・7度、東経139・6度」の地点。東京都杉並区のJR西荻窪駅前の約40キロメートル地下が、M3・5の規模で動いた。
新聞、テレビではほとんど報じられなかったが揺れはどうだったか。
「まだ夢見心地で横になっていたときでした。下からドンッと突き上げるような衝撃を感じて、あっ近いな、と思った」
商店街の一角にある雑貨店の店主(65)はこう振り返った。
杉並区松庵に済む小学6年の原屋敷悠君(12)は、自宅で机に向かっていた。「椅子に座っていたら、グラグラっと来た。揺れは3秒くらい続いた」
実は、この地域の周辺では過去に直下型地震が頻発している。
気象庁によれば、同所の半径15キロ以内を震源地として発生した揺れを感じる地震は、関東大震災があった1923年以降で計40回。うち、2000年以降の発生回数は17回だという。
気になるのは関東地方南部を震源とするM7級の大地震「南関東直下地震」が予測されていることだ。
国の中央防災会議が立てた想定では、最悪の場合、死者1万人超、85万棟の家屋が壊滅するとされる大災害で、東大地震研は、「4年以内に50%以下の確率で発生する恐れがある」としている。杉並の地震は、その予兆なのか。
://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130309/dms1303091447006-n1.htm
続く
武蔵野学院大学の島村英紀特任教授(地震学)は、「今回の地震と発生が懸念される大地震との直接の関連はわからない。
ただ、都の地下は、地層が重なり合う複雑な構造で活断層の所在もプレートの動きもつかみにくい状況になっている。何が起きてもおかしくない」と説明。続けて、こう警告を発する。
「そもそも関東では、江戸時代の300年間で17回もM6〜7級の大地震が発生している。ところが、23年の関東大震災以来、ぱったり大きな地震が起きなくなった。
むしろ、ここまで動きが沈静化しているほうが異常。危うい均衡が2011年3月の東日本大震災で崩れた。地下の状態がリセットされ、大規模な直下型地震が起きやすい状況になっている」
天災は時と場所を選ばない。日頃の備えを怠ってはならない。