乙武「障害者にもクズはいる。肉体なんて単なる容器。開けてみないと何が詰まっているか解らない。」

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南アフリカの義足ランナー、オスカー・ピストリウス被告が自宅で恋人を射殺した罪に問われている事件を受け、「五体不満足」の著者として知られる作家の乙武洋匡さんが、障害者観について自身の考えをTwitterにつづっている。
「彼らは清らかな存在で、けっして悪いことなど考えるはずがない」――。

多くの人が知る通り、生まれつき両腕両脚がないという障害を持つ乙武さんは、大ベストセラーとなった「五体不満足」を出版して以来、世間に根強く存在するこうした障害者観に苦しみ窮屈な思いをしてきたという。
今回ピストリウス被告の事件は、オリンピックに出場した有名アスリートというだけでなく、義足の、つまり身体障害者が関与したという側面によって、世間に大きな衝撃を与えている。
その驚きには、先述した障害者観が少なからず影響していると言えよう。しかし、乙武さんはそうした問題に当事者として直面してきただけに、今回の事件を、ステレオタイプな障害者観とは異なる視点で見守っている。

「僕は『同じ障害者だから』『彼の功績は偉大だから』という理由で、盲目的に彼を擁護するつもりはない」と乙武さん。
将来的にオリンピックとパラリンピックが統合されてひとつの大会となることを願っていることをかねてより公言している同氏だけに、
その両大会に出場して好成績を収めたピストリウス被告の存在は、乙武さんの願いが決して荒唐無稽なものでないことを示す貴重な証左でもあり、
「心から敬意を表したい」人物でもあるが、「盲目的に彼を擁護」したりはしない。そこには、乙武さんの、先述した一面的な障害者観へのアンチテーゼがある。

「障害者にだって、飲んべえや、エロや、ろくでなしもいる。肉体というものは、言ってみれば“容器”なのだ。
その中にどんな中身が詰まっているかなんて、開けてみなければわからない。
その容器だけを見て、蔑んだり、期待したり――それがいかにバカバカしいことか、僕らはそろそろ気づくべきだ」