パソコン(PC)の遠隔操作ウイルス事件を仕掛けた「真犯人」である疑いが濃いとして、警視庁など
の合同捜査本部に威力業務妨害の疑いで逮捕された片山祐輔容疑者(30)は、インターネット上で
脅迫的な書き込みを行う一方、猫への偏愛で孤独な心の隙間を埋めていた。
専門家は、「大人になりきれないピーターパンのようなもの」と語っている。
片山容疑者が一連の事件に関わっているとすれば、一体どんな心理状態だったのか。
精神科医の日向野春総氏は、「おそらく、『人間関係が希薄でも勉強だけしていればいい』
という環境で育ったのだろう。『承認欲求』が非常に強いと思われる。善悪の基準は関係なく、
注目されればいいという心理だ。ふつうの人は周囲の人間の批判や非難にさらされることで社会に適応して
いくが、そうした訓練を経て成長していない。大人になりきれないピーターパンのようなものだ」と分析する。
片山容疑者は逮捕前日まで「猫カフェ」に向かうなど、無類の猫好きだった。
ここにも、心理分析のヒントが隠されているという。
「他人とコミュニケーションをはかって拒絶されるのを何より恐れていたようだ。猫は閉鎖された室内でも
飼育が可能で、世話をしなくても拒絶されることはない。いわば一方通行の愛情を受け入れてくれる存在。
外界との接触をうまくはかれない彼にとって好都合な存在だったのではないか」(日向野氏)
片山容疑者は2005年、2ちゃんねるの騒動に乗じてネット上に殺害予告を書き込み逮捕された。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、「2ちゃんねるなどの掲示板に張り付くネット住民は
短絡的な善悪の二元論に走りがち。それに同調圧力がかかり、『炎上』という現象が起きる。
ネット空間が『たこつぼ』のような状態になって、外側のルールより内側の論理を重視するようになる。
その中で英雄視されることを望み、ゆがんだ承認欲求を満たそうとしたのではないか」と指摘している。
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