山口でダニ媒介新感染症 詳細「言えぬ」 不安残る会見
2013.1.31 02:08
国内初のウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で死者が出たことを受け、山口県は30日、記者会見を開き、
ウイルスを媒介するマダニへの注意を呼びかけた。しかし「昨年秋に成人が亡くなった」以外の情報は「言えない」「分からない」
と繰り返すばかりで不安の残る記者会見となった。
記者会見は厚生労働省と同じ午後3時から県庁で行われた。県健康福祉部健康増進課の担当者らは、昨年12月29日に厚労
省から県内の死者について「SFTSの感染が疑われる」という連絡があった▽今月29日に国立感染症研究所から「ウイルス
感染を確認した」という連絡が入った−などの経緯を説明。
県によると、SFTSのウイルスを媒介するマダニは2〜3ミリと比較的大きく、森林や草地に生息。布団などに発生する他のコナ
ダニ、ヒョウヒダニなどでは感染しないという。
感染すると発熱、嘔吐、下痢、下血の症状があり、血液中の血小板と白血球が著しく減る。県はこうした症状の患者が出た場合、
県や国に連絡するよう医療機関に通知したという。
しかし、死亡した人については「感染経路は不明」とする一方、居住地域や年齢、性別などについては「遺族の強い意向と個人
情報の観点から詳細は言えない」として一切公開しなかった。
報道陣からは「詳しい症状など予防に必要な情報は公開してほしい」という声が相次いだが、県健康増進課の原田弘之課長は
「配布資料は厚労省から提供されたもので、われわれもこれ以上のことは分からない」と説明。「マダニにかまれないよう草地に
入らない。手足の露出をなくすなどの対策をしてほしい」と呼びかけるにとどめた。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130131/ymc13013102080000-n1.htm ■参考
SFTS (A99:詳細不明のウイルス性出血熱)
http://medicalware.org/wiki/SFTS