「いやあ、驚きましたよ。あんな姿を見たのは初めてだって、同席した記者が言っていました」――。
大手メディアの経済部記者が目を丸くしてこう言った。先週、白川方明総裁(63)と日銀クラブ記
者らの懇親会が開かれたのだが、この席で白川総裁、かなり“乱れた”というのである。
「年末の慰労を兼ねてもうけられた席で、このような懇親会が開かれたこと自体オフレコです。それが
漏れてきたのは、いつも穏やかな白川総裁が、この日はまるで別人だったというのです。次から次に酒
をあおる。しまいには目も据わって、ぐでんぐでん。酩酊に近い状態だったというから、耳を疑いました。
相当まいっているのでしょうね」(前出の記者)
悪酔いの原因は、言うまでもなく安倍首相だ。デフレ政策を続ける日銀に金融緩和を迫る安倍は
衆院選後、周囲に「(白川総裁は)早く辞めてくれないかな」と漏らしたという。その安倍を白川総裁
は18日に訪ねている。「あいさつに伺っただけ」(白川総裁)と説明したが、実際は、19〜20日の金
融政策決定会合で追加緩和とインフレターゲット導入に踏み込むよう、安倍からきつくクギを刺され
たというのが真相だ。
「安倍首相はさらに、20日の決定会合の朝にも白川総裁に電話で念を押しています。白川総裁は
午後、追加金融緩和10兆円に加え、2%のインフレターゲット導入について、1月の会合で検討するとし、
事実上、受け入れることを表明しました。完全に白旗ですが、白川総裁にはさらに屈辱的なことがあった。
この日、安倍さんは自民党本部で行われた会合のあいさつで、『けさ、白川日銀総裁から電話をいた
だいた。決定会合の結果を含めて報告いただいた』と口を滑らせたのです。日銀はメンツ丸つぶれです」(政界事情通)
安倍は日銀法を改正し、総裁の解任権を握ることも辞さない構えだ。来年4月に任期が切れる
白川総裁は、後任に日銀プロパーを考えていたが、もうそれどころではなくなってしまった。
東大卒の白川総裁にしてみれば「成蹊大の安倍に何がわかるか!」という思いだろう。ヘベレケになる
まで酒をガブ飲みしたのも無理はないが、自分の情けなさを酒で紛らわされても困る。抗議の辞任くらいすればいいのに……。
http://gendai.net/articles/view/syakai/140309