ノロ、北海道内でも急増…集団感染70件
今冬、保育所や病院などでノロウイルスの集団感染が相次いでいる。10月以降に道内で発生した10人以上の集団感染は
今月14日現在で70件あり、計1744人が下痢や嘔吐(おうと)の症状を訴えた。
道保健福祉部では「例年より速いペースで集団感染が起きており、嘔吐物の適切な消毒や、こまめな手洗いで感染予防を」
と呼び掛けている。
道などによると、10月以降の集団感染は保育所や病院などでも発生しており、昨年10〜12月の3か月間の発生件数(8件計189人)を
大幅に上回っている。
今年11月中旬には、十勝地方の保育所で園児58人と職員15人の計73人が下痢や嘔吐などの症状を訴え、今冬最大規模の
集団感染となった。帯広保健所の調査で「嘔吐物の消毒の際に使用する次亜塩素酸ナトリウムの濃度が薄かったため、感染が
拡大した可能性がある」と判明した。同保健所によると、ノロウイルスは感染力が強いため、アルコールによる消毒は効かず、
次亜塩素酸ナトリウムが効果的という。
また、12月上旬には、小樽市の病院で患者や職員計50人の集団感染が発生。入院受け入れを一部制限する事態になった。
小樽市保健所は「嘔吐物に対する処置はしていたと思うが、手が回り切らなかったことで、感染拡大につながった可能性もある」としている。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎では、2006年10〜12月の3か月間に、道内で集団感染が181件発生して計6021人が
症状を訴える大流行があった。
道保健福祉部では「感染を予防するために手洗いをこまめにし、適切な濃度の次亜塩素酸ナトリウムによる消毒をしてほしい」としている。
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