職業としての政治 無職から立候補するメリットはあるか
自民党長期政権が崩壊し、後を継いだ民主党も惨敗が予想される中、政界のカオス化
が進んでいる。小党乱立はその一端だ。当然、既存秩序が崩れれば、我こそはと
色々な種類の人達が名乗りを上げることになる。
「自分の葬式代を供託金にしてでも、後の世に伝えたいことがある」と言って出馬した
94歳の老人、高校中退、職歴のない(ように見える)28歳の無職青年等、バラエティ
に富む候補者が名を連ねる。筆者はこれをとてもいいことだと考えている。
政治は誰に対しても等距離であるべきだからだ。
というわけで、今回は職業としての議員について考察してみたい。
転職先として議員は選択肢となりえるのか。そして、ニートが供託金をかき集めて
立候補する意味はあるのか。
・二十代後半、無職・無職歴で立候補するメリット
話をわかりやすくするために、大学中退、そこから8年間ニートをやってきた、
職歴のない28歳・山本君という若者を想像してみよう。先日から思い立って職安通い
を続けているが、なかなか思うような就職口が見つからない。なにより、中堅以上の
企業は“新卒一括採用”の名のもと、ドロップアウト者を完全シャットアウトし続けている。
「日本はあまりにもレールを外れた人間に冷たいではないか!」
というぶすぶすとした憤りのようなものが胸の奥で燃え盛っているに違いない。
というわけで、定期預金の解約などで300万円の供託金をかき集め、衆院選に
立候補したとしよう。この時点で、山本君は無職・無職歴ではなく、政治家であり
衆議院議員候補の肩書を手にすることが出来たわけだ。
氏にとって記念すべき初めての職歴である。
http://blogos.com/article/52134/