欧州で分離独立運動が活発化 債務危機で中央政府に不満
2012.11.24 19:21
欧州各地ではスペインのカタルーニャ自治州だけでなく、分離独立の動きが活発化している。
債務危機対応をめぐる中央政府への不満などが、独自の民族的、文化的意識と相まって
独立機運を高めているとみられるが、実現への道筋が描けているわけではない。
スペインでは10月、北部バスク自治州の議会選で、独立急進派の地域政党バルドゥが第2党に躍り出た。
独自言語を持つなどカタルーニャ同様に独立意識が高く、過去には武装闘争も繰り広げられた。
ベルギーでも10月の統一地方選で、北部オランダ語圏のフラマン地域の分離独立を狙う中道
右派「新フランドル同盟」が躍進。
南部フランス語圏のワロン地域との「連邦国家」から、緩やかな「国家連合」の実現を目指すが、
将来的な独立も視野に入れるとされる。
これらの地域に共通するのは、国内の他の地域よりも裕福な点。債務危機で、自分たちの富が
貧しい地方に奪われているとの不満が独立機運に拍車をかける。
英国ではケルト系の文化を持つ北部スコットランドが10月、独立の是非を問う住民投票の2014年
実施で英政府と合意した。世論調査では経済的な影響を懸念する独立反対派が賛成派を上回るが、
スコットランド行政府は北海油田の収入で経済的自立を図る考えだ。
欧州統合の進展で各国が権限を欧州連合(EU)に委譲する中、中央政府の存在意義が薄れるとの
見通しが、独立機運を後押ししているともされるが、独立後も加盟国の地位が維持される保証はない。(ベルリン 宮下日出男)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121124/erp12112419220003-n1.htm 依頼@329