http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000001211240001 【斎藤博美】震災前の三陸鉄道沿線を描いたドキュメンタリー映画に日本語字幕が付いて
25日、横浜市で上映される。鉄道好きの聴覚障害者らが実行委員会を作って字幕上映に
こぎつけた。経費を除いた収益は、三陸鉄道と三陸の人々への義援金になる。
上映されるのは「おらほの鉄道〜三鉄沿線奮闘記」(2008年)。日本映画学校(現日本映画大学
)に在籍していた鈴木宏子さん(25)の卒業制作だ。岩手県山田町出身の鈴木さんが、約7カ月かけて、
沿線の人々や風景を撮影した。
聴覚障害者で、鉄道好きな会社員という共通点を持ち友人同士の熊谷徹さん(48)=横須賀市=と
海老塚一浩さん(46)=横浜市神奈川区=は、この映画を多くの聴覚障害者に楽しんでもらうため、
自分たちで字幕を付けて上映会をしようと計画。実行委員会を立ち上げると、友人ら約20人が集まり、
準備に駆け回った。
この結果、上映会だけでなく、鈴木監督や三鉄幹部、復旧を描いた漫画家らのトークショーも開かれることになった。
日本語字幕を作ったのは横浜市の字幕製作サークル「まじっく」。台本がないので全編の文字
おこしから始め、列車の発車や走行などの音まで文字にした。方言や地名など聞き取りにくい部分も多く、
方言辞典で調べたり、鈴木監督に確認したりして作業を進めた。
熊谷さんは「資金集めの苦労もあったが、大勢の力で実現できた」。海老塚さんは「映画を通して
三陸鉄道が愛された理由を知ってほしい」と話す。
鈴木監督は「日本語字幕がつき、本当に映画が完成したんだと実感しました」と話している。
横浜市西区の西公会堂で午後1時開演。トークショーは手話通訳とパソコン文字通訳がつく。
1500円。中学生以下800円。問い合わせは実行委員会にメール(sanriku.yokohama@
gmail.com)かファクス(045・435・3577)で。