沖縄県の尖閣諸島沖で取れた魚を商標登録してブランド化する動きが広がりつつある。
地元・石垣市の八重山漁協などが高値での流通と漁業の活性化などを目指して始めたもので、
東京・築地市場ではすでに一部の地元漁師が出荷した魚に<尖閣諸島沖>などと記された札
がつけられ、競りにかけられている。
八重山漁協は、石垣市から「魚介類ブランド化事業」の補助金を受け、8月、尖閣諸島沖で取
れたマグロに<尖閣マグロ>の商標を登録した。今後はオリジナルのシールなどを作り、魚に
つけて全国に売り出していく予定だ。
マグロ1キロの相場は1000〜1500円だが、石垣市水産課は「プラス1000円で流通できれ
ば、漁業をする人が増えるのではないか」と期待を寄せる。同漁協によると、尖閣諸島沖では
マグロやハマダイなどの高級魚が取れるが、組合員約300人のうち同諸島沖で漁をしているの
は数人程度。石垣島から同諸島まで片道約170キロの距離を往復すると燃料代がかかり採算
が合わないためだ。
一方、石垣島の漁師(45)は4月に尖閣諸島沖でとれた魚を販売する会社「尖閣」を設立し、
同漁協に先駆けて「尖閣」の商標でハマダイなどを出荷している。「日本の海を守りたい」という
気持ちもある。
(2012年11月9日20時34分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20121109-OYT1T00805.htm?from=ylist