http://cdn.adlibjapan.jp/pics/r/eQi3C6m5oo.010-1440-1440-150.jpg 待ち焦がれた一撃だった。ポルトガルに圧倒された前半11分、反撃の狼煙を上げたのはFP森岡薫(名古屋オーシャンズ)だった。
左サイドでボールを受けると、中央にカットインし、右足を振り抜いた。強烈なシュートはゴールに決まり、森岡は力強く右腕を突き上げた。
8月にペルーから帰化し、W杯前の合宿からFP三浦知良(横浜FC)とともに、初めて日本代表に招集された。
Fリーグで2度のMVP、Fリーグ2011の得点王にも輝いたが、代表ではなかなか得点を挙げることができなかった。
カズが親善試合2試合目のウクライナ戦でゴールを挙げたことも、プレッシャーとなっただろう。W杯の初戦、ブラジル戦を終えたあとも、
引き分けを狙いに行った展開を理解しつつも「もっとボールを入れてほしい」と、注文を付けていた。
後半15分にもパワープレーから、自身にとって2点目のゴールを挙げた森岡は、チームの同点劇に大きく貢献した。
その風貌からスポーツ紙を中心に『フットサル界の本田圭佑』と呼ばれるようになり、チームメイトたちからも「そんな
こと言われたことなかったでしょ」と、イジられたという。だが、この日は笑顔で「やっとケチャップが出ました!!」と日本
代表MF本田が、W杯アジア最終予選のイラク戦で得点が挙げられなかったときに用いた言葉を引用し、初ゴールを喜んだ。
2ゴールを挙げた森岡だが、5−5で迎えた残り2分、FP小曽戸允哉からのパスを受けて得た決定機を逃したことを、とても悔しがった。
「もう少しフィニッシュの精度が良くて、決めていれば良かった。でも、リビア戦に取っておいたことにします」と、気持ちを切り替えた。
歴史的なドローを演じたが、まだまだ飢えている。「まだ何も勝ち取ったわけでも、得たわけでもない。リビア戦に勝たないと、
今日の試合が無駄になる。リビア戦に絶対に勝って、今までになかった結果をみんなで味わいたい」。惜しくもハットトリックは
逃したが、Fリーグ史上最高のゴールゲッターは、ついに覚醒のときを迎えた。
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