障害児も普通学校で「共生教育」を 福井で集い
(2012年11月5日午前6時59分)
共生社会実現へ障害の有無など違いのある子どもが一緒に学ぶ「インクルーシブ教育」をテーマにした集いが4日、
福井県福井市の県国際交流会館で開かれた。福井県内の普通学校に通う障害児の親や、同教育に携わってきた教師が「共生教育」の現状や意義を報告した。
インクルーシブ教育は1994年のユネスコの「サラマンカ宣言」でうたわれた概念。昨年8月に成立した改正障害者基本法では、
可能な限り、障害のある子どもとない子どもが一緒に教育を受けられるように配慮するとした。
しかし、国内では障害児の多くが特別支援学校に通う「分離教育」が原則。県内でも特別支援学校に通う子どもの数は増加傾向にある。
集いは障害者との共生社会を目指す福井市の団体「あいじつ」(松川久資会長)が開いた。障害児の親や同会会員ら約50人が参加した。
越前中1年でダウン症の山下陽市君(13)は、保育園児の時期から地元の園や学校に通っている。
報告に立った母の紀代美さん(48)によると、小学校入学に当たって当初は学校側に反対された。
しかし同じ保育園の園児から「なぜ一緒な学校に行けないの」という声もあり、学校が生活支援員を1人付ける形で入学が実現した。
現在では周囲の理解が随分進んだとし「学校では障害について考える子どもが増えたと思う。
みんなが地元の学校に通うことで社会は大きく変わるのではないか」と述べた。
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/school_education/37814.html