オバマ米大統領の続投でドル安は本当か=高島修氏
このように純粋に、財政収支とドル相場の関係に着目するならば、米財政収支を半強制的に改善
させる「財政の崖」が必ずしもドル安要因とは言えないことが理解できる。というより、むしろ「財政の崖」
が大きければ大きいほど、「ドル高を示唆している」と捉えるのが基本的な理解であるべきだろう。
もちろん、来年、米国で想定されるのは税制変更に伴う財政収支の改善だけだ。過去とは異なり、
米経済の回復に裏打ちされたFRBの金融引締めとそれに伴う米国債利回りの上昇が期待できる
訳ではない。
また、米経済が安定的な回復基調を辿り、税収が自然増とならなければ、財政収支の改善は
持続的なものとはならない。「財政の崖」によるドル高効果は表面的な財政収支の改善の割には
限定的で、一時的なものに留まるだろう。
http://jp.reuters.com/article/vcJPboj/idJPTYE89O02420121025 依頼@244