「俺についてこい」タイプのリーダーは時代遅れ
グローバル社会で必要なのは異質な人々を束ねる力――エゴンゼンダーインターナショナル株式会社 佃秀昭氏【後編】
「俺についてこい」スタイルのリーダーに
ついていくグローバル人材は居ない
南 佃さんは、管理職にはどのようなリーダーシップが必要だとお考えですか?
佃 これは難しい質問ですね(笑)。昔の典型的なリーダー像は「俺についてこい」タイプでした。しかし、俺の背中を見てついてこいというのは、俺と同じような背中になれと言っているのと同じです。
海外の人は、誰かと同じような背中になりたいなんて誰も思いません。興味がないのです。そこで重要なのが、異質の人を束ねる力。相手に媚びず、合わせすぎない範囲で相手を認めることがリーダーシップにつながります。
南 たしかに、私も以前グローバル人材とは何かと聞かれたときに、同じように答えました。英語を話せる能力ではなく、相手を理解する能力がグローバル人材の根底に必要なこと。
日本人の場合、それが欠如している人が多いと思います。「俺の話を聞け」というのがリーダーシップだと言われてきましたが、大切なのは相手を理解して意図を持って物事を伝えること。
海外で多民族をマネジメントしていると痛感します。
佃 「俺についてこい」スタイルが評価されてきた日本のビジネスパーソンに必要なのは、グッドリスニングスキルです。
縦社会の組織にいる上司がグッドリスナーになるのは簡単なことではないかもしれませんが、管理職の方は意識したほうが良いですね。
部下が改善すべきことをきちんと捉えて、本人のやる気が出るように仕向けていくことが必要なのです。
南 複雑な世の中になっているからこそ、ちゃんと現場に耳を傾けるという力が必要ということですね。
佃 日本人は、もともと「俺さえ良ければいい」という民族ではないはずです。チームが一丸となり、苦労してでも成果を出した時に嬉しいと感じられるはず。
だからこそ、異質な人もうまく取り込んで、チームの強みに変えていけばいいと思うのです。自分が優秀であると思いこまず、広い視野で自分の立ち位置を理解しながら、リーダーシップを発揮していくと組織は活性化していくと思います。
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