http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012101302000232.html 市が実施した昨年の調査で、二十代から六十代男性の肥満の割合が26・7%に上り、
目標値の17%以下を大幅に上回った。肥満は生活習慣病の危険因子となるため、
栄養のバランスが取れた家庭料理を提案しようと、五月から宇大との共同研究に乗り出した。
宇大教育学部の大森玲子准教授(食品機能学)と研究室所属の学生はメニューを思案。
中心となった同学部四年の今田綾乃さん(21)は、地元名物のギョーザに着目、「今までと
違ったギョーザの楽しみ方はないか」。身近なギョーザを炊き込みご飯として味わう「餃子
めしがいい」。独創的なアイデアからすべては始まった。
こだわったのは地産地消。県特産のニラに加え、ギョーザの具材としてのなじみはないものの、
食物繊維を多く摂取できるよう、全国有数の生産量を誇るかんぴょうとシイタケを選んだ。
「地場産品を取り入れたかった」と今田さん。
「健康志向の人は肉を避けがちだが、脂質も必要」と大森准教授。具材には豚ひき肉を入れるが、
炊き込んで仕上げることで余分な脂質を抑えた。鶏がらスープのだしを利かせることで、味を
落とさずに減塩も実現した。
加えて、料理の初心者や苦手な人に配慮し、包丁を使わずに、調理用バサミで野菜を切ることを
提案。家庭での料理に手間をかけられない人のために調理法もシンプルにした。
先に市内で開かれたイベントで試食会を開催。ギョーザの風味を見事に再現した味わいは、
幅広い年代から好評を得た。「子どもも好きな味なので、親子で一緒に作ってもらえれば」と
今田さん。大森准教授も「簡単に作れるので、ぜひ多くの家庭で取り入れてほしい」と話した。
市は今後、市内の飲食店やスーパーなどで提供できるよう協力を呼び掛けていくほか、
保育園の給食メニューに採用することも検討していくという。