学校の給食に使われる県産のネギを、地元業者が他県産と偽って納入していた。
田村署は9日、三春町の青果店経営者の男性(49)ら2人と、
青果店を運営する有限会社を不正競争防止法違反(誤認惹起(じゃっき)行為)の疑いで、
地検郡山支部に書類送検した。
同署によると、2人は今年1月10〜20日、三春町や郡山市の小中学校、共同調理場など
7施設へ31回にわたり、県産のネギを千葉や茨城県産と偽り、
計約50キロ(2万円相当)を納入した疑いがある。また経営者の男性は同町内の老人施設へも、
同じ時期に4回にわたり約1・7キロ(450円相当)を納入したという。
青果店は以前から学校などに給食用の野菜を納入していたが、
納入先が「福島県以外の産地のものに変えて欲しい」と要望。2人は年明けから、
郡山市の市場で仕入れた県産ネギの納品書に、手書きで「千葉」や「埼玉」などと書き加えて産地を偽ったという。
県産野菜は市場出荷前に放射線測定されていて、安全性は確認済み。
今年2月、「偽装表示をしている」という一斉メールが町内に流れたことから、
経営者が町教育委員会に出向いて、偽装を打ち明けた。
経営者の男性の説明では、ネギのほか、コマツナやホウレンソウも県外産として納入していたという。
町教委は納入自粛を求めるとともに、小・中学校、保育所ごとに保護者説明会を開き、
事実関係を説明した。地検の判断を待って、新たな対応を検討する。
2人は調べに「納入先の要望に応えたかった」と話しているという。
経営者の男性は9日、朝日新聞の取材に
「給食メニューで求められる県外産の食材はひどい品薄で、ついやってしまった」と話した。
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000001210090003