がん形成の起因を山口大発見
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201209100031.html http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn20120910003101.jpg 山口大大学院医学系研究科の中井彰教授(49)=医化学=や藤本充章講師(41)=同=を中心とした研究グループが、
二つのタンパク質が結合してできる複合体が、がん細胞の増殖や形成を引き起こしていることを発見、
このほど米科学誌モレキュラーセル電子版に発表した。
中井教授たちは「複合体の結合を断つ化合物を見つければ、すべてのがんの治療薬開発につながることが期待できる」としている。
二つのタンパク質は「HSF1」と「RPA1」。
HSF1は細胞内のタンパク質の質と量を一定に保つのに主要な役割を果たしているが、がん細胞の増殖には特異的に強く作用することが知られている。
今回の研究では、HSF1がDNAの複製に働くRPA1と複合体をつくることでDNAと結合し機能することを突き止め、HSF1が機能するにはRPA1との結合が必要なことが分かった。
また、グループは、HSF1とRPA1が結合しないように遺伝子操作したヒトのがん細胞をマウスに移植しても、がんは形成されず、がん細胞の増殖が抑制されることも確認した。
グループは今後、国内外の研究機関と共同でHSF1とRPA1の結合を断つ化合物を見つけることに全力を注ぐという。