バンダイナムコグループの米国子会社バンダイ・エンタテインメント(Bandai Entertainment)が、
2012年終わりまでにアニメDVD、Blu-ray Disc、マンガ、小説などの流通・販売から完全撤退する。
同社は今年初めよりDVD・BDの新規アニメタイトルの発売を停止しているが、
既存タイトルについても事業を終了することになる。
11月までに新たな注文の受け付けを終了し、11月末に最後の商品出荷をする。
既に新規タイトルの発売を停止しているため規定路線ではあるが、
1990年代末から続いてきたバンダイナムコグループの北米におけるアニメ映像パッケージの直接販売のビジネスが途絶えることになる。
アニメDVD、BD事業の停止は、北米における同事業の不振が長年続いた影響とみられる。
バンダイナムコグループの自社グループによる海外DVD・BD発売事業は、北米だけでなくヨーロッパでも同じ状況だ。ヨーロッパでも、
同社の100%子会社であるビーズ・エンタテインメント(BEEZ Entertainment)が2012年に、
フランスと英国の両国で新規のDVD・BDの発売を停止している。
自社グループによるDVD・BD事業は終了するが、
バンダイナムコグループが取り扱うアニメ作品は現地企業によって引き続き発売される。
例えば、ヒット作『TIGER&BUNNY』は現地の有力企業VIZ Mediaが、映画『いばらの王』はファニメーションが発売をする。
今後は、こうしたライセンス販売による作品展開により力が入りそうだ。
一方で、バンダイナムコグループが、これまでと異なったグローバルなビジネス戦略を組んでくる可能性もある。
『機動戦士ガンダムUC』が日本版のBDに、当初より英語版を収録するやりかただ。リージョンコードが同じ国であれば、
商品を多言語対応化することで同一商品を世界各国に流通させることが可能だからだ。もちろんこうした場合でも、
商品の生産は出来ても、それぞれの国での流通やプロモーションを誰がやるのかなど課題は多い。
それでもグローバル戦略を掲げるバンダイナムコグループが、
コアコンテンツのひとつであるアニメで欧米市場から完全撤退するとは考えにくい。
今後の展開が気になるところだ。
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