S&P、シャープ格付け「投機的」 ダブルBプラスに
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は31日、
シャープの長期格付けを「トリプルB」から投機的水準にあたる「ダブルBプラス」に2段階引き下げたと発表した。
事業が現金を生み出す力が弱まり、短期借入金への依存度が高まっていることを理由に挙げた。
投機的水準になると、海外投資家などが投資対象から外すことも考えられ、社債の発行や価格形成に影響が及ぶ可能性がある。
S&Pは「トリプルBプラス」だったシャープの格付けを3日に1段階下げたばかり。
さらなる格下げの理由については、「短期借入金への依存度の高まりとともに資金調達環境が悪化し、
コマーシャルペーパー(CP)の新規発行が難しい」ため、資金繰りの余裕が乏しくなっていると指摘した。
シャープの2012年6月末の短期借入金残高は3365億円、CP残高は3624億円に上る。
S&Pは今後も格下げ方向での見直しを続けるとしている。交渉中の台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との
戦略的提携の影響、負債削減に向けた取り組み、短中期的な利益の回復の3点を注目点に挙げた。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD310FD_R30C12A8TJ0000/