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生きる目的が脳の働き守る 米チーム、高齢者調査
http://www.47news.jp/feature/medical/images/2012.0821navi.gif

「人生の目的」を強く意識している高齢者は、認知症の特徴とされる脳の病的な変化が進んでも、物忘れなどの症状が出にくい―。
米ラッシュ大医療センターのチームがそんな研究をまとめ、米医学誌に発表した。
生きるのに目的や目標があると、脳の組織が変化しても、認知機能の低下は抑えられる可能性があるという。

チームは、地域で暮らす認知症ではない246人の高齢者について、人生の目的意識の強弱を面接方式で調べた後、亡くなる直前まで毎年、
認知機能の評価をした。死亡後には解剖して、アルツハイマー型認知症に特徴的なタンパク質の蓄積など、病変の程度を調べた。
こうした変化は、認知症と診断されていなくても、高齢になるとある程度出てくる。

その結果、目的意識の強さによって脳の病変の進行に差はなかったが、目的意識が強いグループの方が、認知機能の低下はゆっくりだった。
人生の目的意識が認知症を防ぐ方向に働くことは、過去の研究でも指摘されてきたが、実際の脳の病変と結び付けた研究は初めてだという。

人体の臓器は、傷んでから症状が出るまで相当時間がかかることがある。チームは、脳でも同様のことがあり、病変は進んでも何らかの仕組みで
脳の働きが守られるのではないかとみている。

今回の調査でチームは、目的意識を「自分の経験に意味を見いだし、行動する際に意図や目標を持つ傾向」と定義。
10項目の質問で、目的意識の強さを点数化した。参加者の死亡時の平均年齢は88歳で、最初の面接調査から死亡直前に実施した検査までの
期間は平均3・3年だった。

http://www.47news.jp/feature/medical/2012/08/post-734.html