●坊(いぼう) 名も上げるたこの街
山東省の中部に位置する●坊(いぼう)市。国際たこ揚げ連合会の本部があり、
中国では「●坊」と聞くと「たこ揚げの街」とかえってくるほど知名度が高い。
青島や済南など山東省の大都市に埋もれ、日本ではなじみが薄い地方都市だが、
中心部人口はなんと108万人(日本の県の規模に相当する全市人口は889万人)。
市のホームページは日本語版もある国際都市だ。元市観光局長の単亦平さんは
「野菜の産地としては知られているが、もっと日本人にも知ってほしい」と話す。
市中心を流れる白浪河のほとりは、まるでシンガポールのリバーサイドのよう。
強引な立ち退きはあるだろうが都市計画はしっかりしている。
昔は北京からバスで15時間もかかったが、今は新幹線で3時間だ。
市内にある大学「●坊学院」を訪ねると、学生は2万人と桁外れ。
外国語学院日本語科には一度も日本に行ったことがないのにペラペラの学生もいる。
「何でそんなにうまいの」と聞くと「NHKラジオを朝から晩まで聞いた」とさらり。
山東省の人口(2010年)は9580万人。域内総生産(GDP)はスイスに匹敵する。
名前さえ広くは知られていない地方都市の訪問で、中国の発展とやる気をまざまざと見せつけられた。 (安藤淳)
【注】●はさんずいに「維」
http://tabi.chunichi.co.jp/from-the-world/120627weifang.html