ユーロは既に死につつあるのか?
銀行が損失を恐れるがゆえに国境をまたぐ資金フローは枯渇している。
欧州中央銀行(ECB)によると、ユーロ圏の銀行間の国境を越えた貸し出しは、特に2011年夏以降着実に減少している。
そうした銀行間取引は6月、07年の金融危機発生以降、最低水準に達した。
これを読んでわれわれの頭に次のような考えが浮かんだ。ユーロの機能は、当初の認識よりも前に、実質的に停止していたのだろうか。
国境を越える通貨を誰も受け取らないのであれば、共通通貨を持つ意味などあるのだろうか。
これは、通貨の機能の根幹に関わることだ。ユーロ(さらに言えばドル)などのいわゆる不換通貨を機能させているのは、
それを使用する人々の通貨に対する信用だ。ギリシャのユーロ離脱は口に出すのがはばかられる段階から今や大方が予想する段階にまできている。
それが実際に起こった場合、唯一の疑問はそれがどの程度のドミノ効果を及ぼすかということだ。つまり、今は信用力が試されている。
これは今後も注意が必要だ。なぜなら、それはまるで進行中のミーム(生物の遺伝子のような再現・模倣を繰り返して社会習慣・文化が受け継がれていく様子)
のようだからだ。WSJのマーケットウォッチでは、マシュー・リン記者がさらに一歩踏み込んで、ユーロは既に死んでいると主張している。
ユーロは紙幣や硬貨としては依然存在している。だが、その他のほぼ全ての意味において、もはや通貨ではなくなっている。
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Foreign-Currency-Markets/node_495720