三沢線開設に先立ち、チャーター便の運航などで旅客需要を確かめる方針で、
8月中に同社幹部が三沢市を訪れる予定という。来年7月には1日1往復で運航を始める。
田村新社長は、31日に札幌市内で開かれた臨時株主総会と取締役会で、経営悪化により引責辞任した西村公利前社長の後任に選ばれた。
就任後の記者会見では「安全で安定した運航と広報・営業部門の強化で、経営改革のスピードを上げたい」と決意を語った。
専務には、北海道政策局長から移った籔紀洋氏が新たに就任した。
HACは11年6月、奥尻空港上空で機体が地上30メートルまで急降下するトラブルが発生し、国から業務改善命令を受けた。
その後も故障や悪天候による欠航が続き、利用者離れが進んで業績が悪化した。11年度決算は最終損益で5億4700万円の赤字となった。
HAC筆頭株主の道から事業評価を請け負った「あずさ監査法人」(東京)は、
収益改善策として競合他社の乗り入れのない三沢線の新設を提案。
不採算路線の札幌(丘珠)−女満別、函館−旭川両線からの撤退と三沢線開設で、年間最大3千万円の黒字が見込めると試算した。
道も6月に「三沢線開設を検討するべき」と提言。HAC側は、これを受け入れる形となった。
新事業計画では、札幌(丘珠)−女満別線を10月28日、函館−旭川線を来年2月から休止するとしている。(以上)