■東電社員殺害事件で再審を再び認める
平成9年に東京電力の女性社員が殺害された事件で、東京高等裁判所は「別の男が犯人だという可能性を否定できない」として、検察の
異議を退ける決定をし、ネパール人男性の再審=裁判のやり直しを再び認めました。
検察が今後、最高裁判所に申し立てを行っても認められる可能性は低いとみられ、裁判がやり直される見通しが強まりました。
平成9年に東京電力の39歳の女性社員が殺害された事件で、東京高等裁判所は先月、無期懲役が確定したネパール人のゴビンダ・プラ
サド・マイナリさん(45)の再審=裁判のやり直しを認める決定を出しました。
マイナリさんは釈放されてネパールに帰国しましたが、検察は異議を申し立て、東京高裁の別の裁判官が再審の判断が妥当かどうかを改
めて検討していました。
決定で、東京高等裁判所の八木正一裁判長は「新たなDNA鑑定の結果、別の男が犯人だという可能性を否定できない。鑑定結果について
『無罪を言い渡すべき新たな証拠に当たる』として再審を認めた判断は妥当だ」と指摘して検察の異議を退け、再び再審を認める決定を出し
ました。
検察は最高裁判所に特別抗告することもできますが、認められるのは憲法違反などの場合に限られるため、結論が変更される可能性は低い
とみられ、裁判がやり直される見通しが強まりました。
マイナリさん“正当な決定”
平成9年に東京電力の女性社員が殺害された事件で、東京高等裁判所が再審=裁判のやり直しを再び認めたことについて、ネパールに帰国
しているゴビンダ・プラサド・マイナリさん(45)は、文書でコメントを発表し、「検察が裁判所の決定に異議を申し立てたことは私にとって苦痛でし
たが、裁判所から正当な決定が下されたことで救われました」と述べました。
そのうえで、「今後、裁判所から迅速な判決が出れば、家族と共に残りの人生を平和に送ることができます」と述べ、速やかな再審の実施を求め
ました。
(以下略ソース参照)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120731/k10013978501000.html