漢字を読んだり書いたりすることが苦手だった島根県安来市立赤江小5年の俊輔君(仮名)。特別支援学級担当の
井上賞子先生(45)に、毎日のように同じ漢字を直されていたが、iPad(アイパッド)を使い始めて、読み書きできる漢字
が増えてきた。どのような使い方をしてきたのかたどってみた。【岡礼子】
◇紙の辞書より負担軽く
漢字練習にiPadの導入を決めた井上先生は、俊輔君が4年生の4月、漢字を自分で調べられるように、国語辞典の
アプリケーション(アプリ)を使い始めた。俊輔君にとって紙の辞書は、調べたい言葉を探すのもページをめくるのも時間
がかかる。アプリなら、ひらがなで入力して変換するので負担は軽い。入力方法はすぐに覚えた。「漢字を書くことが目標
なので調べ方は簡単にして、自力で解決できた方がいい」と井上先生は考えた。
日記に「きのうおちゃかいをやりました」と書かれていれば、井上先生が「きのう」「ちゃかい」に線を引いて返す。俊輔君は
辞書アプリで調べ、それを漢字に書き直す。使ううちに、国語辞書だけでは目指す漢字が表示されないことがあると分かり、
手書き入力の辞書機能と筆順辞典アプリも併用することにした。俊輔君は、アプリを自分で選んで使うようになった。書ける
漢字も増えてきた。
4年生の段階で、俊輔君の日記に出てくる言葉のうち、漢字で書かなければならないのは、連絡帳に毎日書く日記で平均
6、7個。週末の宿題の日記では平均8?16個。4月時点で俊輔君が漢字で書けたのは、連絡帳で平均3個、宿題では1個
に満たなかった。だが、iPadを使い始めて約1年たった翌年2月には、対象になるほぼすべてを漢字で書けるようになった。
効果を実感した井上先生は、5年生になった俊輔君に、iPadで漢字カードを作らせ、音読の前に練習させることにした。以前、
先生が作った漢字カードで練習したことがあったが、効果は上がらなかった。「俊輔君が自分で作って練習するようになってから、
音読がどんどんスムーズになっている」
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http://mainichi.jp/feature/news/20120728ddm013100196000c.html 依頼@221