日本三大いじめ殺人 マットの山形、自殺練習の滋賀、葬式ごっこの東京
「葬式ごっこ」という言葉に、思い出した事件がある。
1986年2月、東京都中野区の中学2年の男子生徒が「このままじゃ生き地獄」との遺書を残して自殺。
教師までもが加わった陰湿ないじめの事実が次々と明るみになった。
当時、新聞やテレビは連日大きく報道し、いじめ防止キャンペーンを張った。
あれから四半世紀。大津市の中学2年の男子生徒が昨年10月、いじめを苦に自殺したとされる問題で、
男子生徒に対し「葬式ごっこ」が行われていたとの証言が伝えられた。
世代が替わっても何も変わらない現実に、やりきれない思いが込み上げる。
自殺といじめとの関連性について、市教育長はやっとのこと「いじめも一つの要因」と認めたが、
この期に及んで「因果関係は判断できない」と責任逃れの対応に終始している。
「もしかしたら息子は学校に見殺しにされたのではないか。全国の学校の教師の方は、
今まで以上に子どもの表情や行動に注視し、いじめを見抜いてあげてください」。
男子生徒の父親が発表したコメントが胸を突く。
男子生徒の自殺後に学校が実施した全校生徒アンケートでは「助けられなかったことが悔しい」
「止めなかった自分は加害者と同じ」などと多くの生徒が自責の念をつづっていた。
いじめは周囲が気付いて助け舟を出さなければ解決に向かわない。
子どもの心の叫びに耳を澄まそう。見て見ぬふりはやめよう。
「葬式ごっこ」の悲劇をもう繰り返してはならない。(E)
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/20120721000116.htm