シリア:ロシア「アサド政権寄り」鮮明 欧米と対立先鋭化
ロシアは国連安保理でシリアへの制裁警告を盛り込んだ決議案に拒否権を行使し、
アサド政権寄りの立場を鮮明にした。
シリア決議での拒否権行使は3回目で、欧米との対立を先鋭化させている。
チュルキン国連大使は廃案になった決議案について「シリア政府だけに圧力や制裁の脅しをかけ、一方的だ」とし、
欧米が反政府勢力側に圧力をかけない姿勢を「テロリストを含む過激派をあおっている」と批判した。
一方、ロシアは国連シリア停戦監視団の活動期限を3カ月延長する独自の決議案を取り下げた。
大使は「国連安保理の対立が続くのは無意味で非生産的だ」と指摘。
停戦監視団を「事務的に」延長する決議案の採択に応じる考えを示した。
拒否権発動で国際社会の非難がロシアに集中することをかわす狙いがあるとみられる。
プーチン大統領は19日、監視団に最大兵士30人を派遣する用意を表明。
治安改善への意欲を示した形だが、アサド政権退陣を前提にした決議案には今後も反対する姿勢。
一方、プーチン氏は20日、安保理の枠外での行動も辞さない構えの欧米をけん制する発言をするなど、欧米との間で大きな歩み寄りは期待できない状況だ。
http://mainichi.jp/select/news/20120722k0000m030065000c.html