落とし物計10億円 1億円が県収入に
1億1642万1074円――。2011年度に県内の警察署や交番に落とし物として届けられながら持ち主が現れず、県の財政に繰り入れられた総額だ。受理件数は117万5639件。
いずれもほぼ右肩上がりで増え続け、過去10年で約2倍にふくれあがった。
県警会計課は「県内は人口が増えていて、大型商業施設の建設が続いており、人が集まる場所も多い。落とし物が発生しやすい状況なのでは」と分析する。
同課によると、11年度の落とし物のうち現金の総額は10億3664万8747円。約7億円分は落とし主が現れ、約2億円分は拾い主がそのまま受け取った。
残る約1億円分は持ち主がわからなかったり、拾った人が受け取りを辞退したりして保管期間を過ぎ、県の「臨時収入」となった。
現金の落とし物の最高額は約1千万円。横浜市内のコンビニの現金自動出入機の横に、紙袋に入った状態で忘れられていた。持ち主がすぐに気付き、即日返還された。最低額は1円。小さな子どもが交番に届ける例が多いという。
現金以外の落とし物で最も多かったのは、キャッシュカードや運転免許証などのカード・証明書類で約41万点。衣類や有価証券、財布、傘と続く。これらは県警がリサイクル業者などに売却し、11年度の売り上げは約900万円だった。
ビニール傘はほとんど売れないが、有名ブランドの服や財布はよく売れる。ゲーム機などの原材料になるレアメタルを含む携帯電話は個人情報が取り出せないように端末に穴を開け、昨年から売っているという。
落とし物は07年12月から、拾われた日や場所ごとに県警のホームページで公開されている。
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000001207180005