投機筋の思惑で円高進行、必要なら断固措置=安住財務相
[東京 17日 ロイター] 安住淳財務相は17日午前の閣議後会見で、最近の外国為替市場では投機筋の思惑で円高が進行していると指摘し、必要と判断すれば為替介入も辞さない姿勢を強調した。
財務相は16日海外市場で、円相場が対ドルで78円半ばと1カ月ぶり高値を更新したことに対し「最近の為替市場は、投機筋の思惑もあって円高が進むケースが見られる」とけん制。
「急速な円高の進行など、為替市場の過度な変動は、経済・金融の安定に悪影響を及ぼす。
引き続き緊張感を持って市場の動向を注視し、必要なときには断固たる措置を取ることにしている」と述べた。
記者団から円高メリットに関する考えを問われた財務相は「総合的に勘案した場合、日本にとって今の水準がどうかを考えないといけない」と説明。
「日本経済全体にとってその水準がどうか、その水準は適正な経済活動で行われている(結果な)のか、それとも一部の投機的な動きによって左右されているのか、ということを基準に常に考えている」と話した。
その上であらためて、現在の円相場は「米などに対する今後の見通し等含めて、投機筋が思惑を持って円高を進めていると判断している」と断じた。
<GDPに下振れ要因あれば補正予算を考慮>
野田佳彦首相が16日のテレビ番組で、2012年度補正予算編成の可能性に言及したことには「(2012年)4―6(月期の国内総生産速報値)の中に下振れ要因があったり、年後半に向けて何らかの対応が財政出動を含めて必要なら、それは考慮すべきとの認識と思う。
私もその点は同じだ」との考えを示し、同時に特例公債法成立の必要性を重ねて訴えた。
「特例公債法を成立させて次の段階に行かせてもらえればありがたいし、できれば(自公を含めた)3党で話し合いをしてもらいたい」とした。
共同通信によると、野田首相は16日、補正予算について「8月に4―6月期のGDP速報値が出る。
経済の動向や足元の景気状況を見極めて編成したい。編成する場合は主要政党に理解いただく努力を当然すべきだ」などと述べた。
(ロイターニュース 基太村真司)
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