愛知県で、駐車禁止区域での駐車を特別に認める駐車禁止等除外指定車標章の偽造品が数多く出回っている実態が明らかになり、
県警は摘発を進めると共に、偽造防止対策に乗り出している。
コピーや模造ができないよう、9日からは、見る角度によって色が変わる「ホログラム」を刷り込んだ標章の交付を開始。
広がる偽造の背後には、暴力団の存在も浮かんでいる。
◆錦三で多数発見
中部地方最大の歓楽街、名古屋・錦三(きんさん)地区(中区錦3丁目)。昨年9月、違法駐車が多いとの苦情を受け
現場に出向いた県警中署の捜査員が異常に気づいた。ダッシュボードに標章を掲げた車が多いのだ。
約2時間かけ、風俗店や飲食店が軒を連ねるネオン街を調べた結果、半径200メートルほどのエリアで20台以上見つかった。
「明らかに不自然。偽造品が出回っている」。捜査員はそう直感した。
標章は、通院や生活必需品の購入などで車を使用する身体障害者のため、県公安委員会が発行しているものだ。
掲げていれば、駐車違反で切符を切られることはない。車種は軽乗用車から外国産車、高級国産車など様々で、
運転手が身体障害者であることを示す標識を掲げた車はないなどの傾向が判明した。
◆1枚1万5000円
【中略】
◆弘道会の縄張り
偽造標章の流通に県警が神経をとがらせるのは、現場が「錦三」だからだ。
指定暴力団山口組弘道会が縄張りにしているとみられ、愛知県警は、みかじめ料などの資金源を断ち切ることを目的に、
昨年4月施行の県暴力団排除条例で、錦三を「特別区域」に指定した。区域内の飲食店などが暴力団に資金提供すると、
1年以下の懲役か50万円以下の罰金が科される。
しかし、ある捜査関係者は「おしぼり代やテナント料に上乗せし、みかじめ料を徴収している」と話す。
県警幹部は「偽造標章が密売されたとすれば、暴力団の資金源になっている可能性がある」と警戒を強め、実態解明は不可欠とする。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120708-00000286-yom-soci 依頼@6