八戸工業高等専門学校とアンデス電気(八戸市)などは27日、産官学連携の共同研究で2000年度に開発した「角柱状
酸化チタン光触媒」の製造技術に関する特許を6月1日付で取得したと発表した。光エネルギーで有害物質を分解する「光
触媒」の表面積を大きくし、除菌・脱臭の能力を高めた。
光触媒は、接触する有機化合物や細菌などの有害物質を除去する環境浄化材料。食品や住宅関連、上下水の処理など
に使われる。角柱状酸化チタン光触媒は八戸高専、アンデス電気、八戸インテリジェントプラザ(IP)など産学官の研究者
19人が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成を受けて研究・開発し、01年3月に特許を出願した。
アンデス電気は光触媒を使った空気清浄機を02年から製品化。医療・福祉施設やオフィス、シックハウス症候群に悩む
家庭向けに販売しており、主力製品の一つになっている。
特許権者は国立高等専門学校機構とアンデス電気、八戸IP、県産業技術センターの4団体。八戸高専で行われた会見
で、同校の長谷川章准教授(48)=触媒化学=は「(共同研究を通じて)産官学の強いネットワークが構築されており、今
後も私たちの財産になる」と喜びを語った。同校在学時の卒業研究で光触媒の開発に携わったアンデス電気機能材料開
発部の赤澤敏樹技師(32)は「開発から12年を経て特許を取得でき、感慨深い」と話した。
八戸高専は酸化チタン光触媒の研究を続けており、「酸化チタン光触媒フィルター」の特許を6月8日に出願。7月17日
に都内で開かれる科学技術振興機構(JST)の新技術説明会で発表する。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/aomori/383386.html