跡地売却せず集団移転可能に 仙台市、住宅ローン考慮
東日本大震災の津波被災地からの集団移転をめぐり、仙台市は、被災者が住宅跡地を売却しなければ集団移転に参加できないとする従来の仕組みを改めることを決めた。
住宅ローンが残って抵当権を外せないなどの事情で跡地を売却できない被災者らも、集団移転に加われるようになる。
従来は、集団移転が決まった地域の宅地全てを自治体が被災者から買い取らないと、国が自治体に資金を全額補助しない仕組みだった。
このため仙台市は、跡地売却を被災者が集団移転に参加する条件にしていた。跡地を売らない場合、個別に土地を探して移るか、災害公営住宅に入居するしか選択肢がなかった。
一方、市の調査では、集団移転対象の宅地など3300筆のうち4分の1近い約800筆に、今年3月時点で抵当権・根抵当権が残っていることが判明。
市は抵当権が付いた土地は買い取れないとしているため、債務を弁済して抵当権を外せなければ跡地を売れないケースが想定された。
このため同事業を所管する国土交通省は最近になって、自治体が買い取った宅地の分だけ国庫補助できるよう制度を変更。
これを受けて仙台市は22日、跡地を市に売却しない人も集団移転に参加できる仕組みに変えることにした。
この変更により、被災者は、跡地を所有したまま集団移転し、跡地の地価が上がったタイミングで売ることもできるようになる。
ただ、移転元に自治体が買い取った土地と被災者の所有地が混在すると、自治体が再開発しづらくなる恐れもある。
開発が進まないと地価が上がらず、集団移転先での住宅新築資金に充てるため跡地を少しでも高く売りたい被災者に不利益となる可能性もある。(中村信義)
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