ファミリーマートは海外における最重要市場と位置付ける中国での出店を加速する。2014年度以降の進出を計画していた深セン市(広東省)への進出時期を
12年秋に前倒しするとともに、6月中にも内陸部の成都市(四川省)に進出することが明らかになった。経済成長に伴い消費者の所得は年々増加しており、出
店攻勢をかけることで市場の取り込みを目指す。
ファミリーマートは現在、中国内で上海市と広州市(広東省)、蘇州市(江蘇省)、杭州市(浙江省)の4都市で計868店(4月末時点)展開しているが、年内には
進出都市が6都市に増える。
成都市と深セン市で展開する店舗はともに24時間営業で、売り場面積は約100平方メートル。中国では店内で飲食したいというニーズが強く、狭小店舗以外
は店内で飲食できるスペースを設けている。おでんや中華まんといったファストフードのほか、おむすびや弁当などのメニューも豊富に取りそろえる。
深セン市では、初年度10〜20店、5年後には約200店の出店を計画している。すでに近隣の広州市では127店(4月末時点)を展開。広州市で構築した物流
網や食品工場など店舗運営に必要なネットワークが深セン市でも活用できると判断。当初の出店計画を前倒しすることにした。
一方、6月中にも進出する成都市では、12年末までに20店、13年末までに100店に増やす計画だ。ファミリーマートが内陸部に進出するのは初めて。
ファミリーマートは、20年度までに全世界での店舗数を現在の約2倍となる4万店に引き上げる計画を打ち出している。なかでも中国は最重要地域と位置付け、
20年度の中国での店舗数を現在の約9倍の8000店に増やす。20年度までに24都市に進出し、売上高4500億円を目指す。
巨大消費市場への成長が見込まれる中国に熱い視線を送るコンビニはファミリーマートだけではない。セブン−イレブンは1820店(3月末)、ローソンは355
店(2月末)を中国内で展開している。各社、中国を重点市場と位置付け、積極出店する方針を打ち出しており、中国コンビニ市場をめぐる争いはヒートアップしそうだ。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120620/bsd1206200502001-n1.htm http://www.sankeibiz.jp/images/news/120620/bsd1206200502001-p1.jpg